スペースインベーダー 「評価 B」
小さな街で平和に暮らしていた少年。ある晩彼は、裏山に巨大な宇宙船が着陸するのを目撃した。大騒ぎして両親を呼ぶ少年だが、すぐに宇宙船は見えなくなり、両親にも「夢でも見たんだろう」と言われ、少年も納得しないながらもやがて眠りについた。しかしその明朝から、いつも明るかったはずの両親が次第に非人間的な雰囲気に変貌して行ったのだ。地中に宇宙船を隠した火星人が、街の人間を次々と捕まえて手下に改造していたのである。やがて学校の同級生や先生らも宇宙人の手下となってしまい、少年は話を信じてくれた保健の先生と一緒に火星人に立ち向かう決心をするのだが…。
53年のSF映画「惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!」をリメイクした本作。残念ながら元となった方の映画については未見だが、本作について言うならば、「未知空間の恐怖 光る眼」を連想させる、侵略SFの王道をいった内容であった。
舞台が一つの街なのでスケール感に乏しいかと思いきや、主人公に街こそ世界の全てという少年を据え、全て少年の視点で進行させることでスケール感を出すことに成功している。また登場する火星人達も1.5等身という冗談みたいな体型をしており、銅を燃料にしたレーザー光線で観客を楽しませてくれた。
ただしこの映画、少年が父親の知り合いであるウィルソン将軍の元を訪れる辺りから、いきなり突飛な展開をするようになる。少年が訪れた日に偶然ロケットの発射準備が行われていたり、操られている教師が火星人に食べられたのを見た少年が大喜びしたりと、今までのこじんまりとしていながらも堅実な内容が嘘だったかのような不可解&御都合主義のオンパレードである。実はこの変貌はラストへの重大な伏線になっているのだが、本作はこのラストを許せるかどうかで評価が二分されることだろう。
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