ジュラシックウォーズ(別題:ダイナソークライシス3)「評価 C」
テロリストが入手した政府の重要貨物。それは最新技術によって現代に蘇った恐竜カルノザウルスだった。港湾地帯の倉庫で積荷を開けてしまったテロリストらはカルノザウルスに襲われて瞬く間に全滅してしまい、続いて倉庫の点検に来た警備員もその牙によって命を落とした。そこで政府はカルノザウルスの捕獲作戦を立案し、1小隊を港湾地帯に派遣するのだが…。
「ダイナソーズ」に続き、「恐竜カルノザウルス」のカットや着ぐるみを使い回して製作されたロジャー・コーマン流の低予算モンスターパニックである。しかしこのシリーズ、何年かの間を置いて製作された「ジュラシック・シティ」は別として、続編が作られれば作られるほどストーリー性が希薄になっていくような気がしてならない。最初の「恐竜カルノザウルス」は突っ込み所満載ながらも一応ストーリーは存在していた。それが「ダイナソーズ」になると、前半部分こそ謎めいた展開ではあったが、その後は鉱山内部の戦いが主で、単なる密室アクションと化していた。そして本作に至っては、上からの命令で動く軍の連中と恐竜との戦いが延々と続くだけなのでストーリーもへったくれも無いような代物で、しかも戦いの舞台は倉庫や船の中という前作以上に狭苦しい空間になっていたのである。こうして変遷を追っていくと、シリーズを重ねるごとに製作側が息切れしてきているのが良く分かる。
だが本作、長々と繰り広げられるアクションを退屈させることなく見せてくれ、この点に関しては評価ができるのだ。特にクライマックスの戦いは他の作品と違ってショベルカーやフォークリフトが登場せず、全くの新撮シーンによって展開される。この戦い自体は非常に呆気ないものだったが、アクションしか無い映画なだけはあり、アクションシーンに対しての気合の違いを見せ付けられる場面と言えよう。
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