世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す      「評価 B」
人類を殲滅させるため、宇宙人が円盤に乗って地球にやってきた。人類は必死の抵抗を試みるが、円盤のもつ圧倒的な破壊力を前に成す術もなく、次第に追い込まれていく。何とか彼らに対抗する手段は無いものかと考えた科学者は、円盤が反重力を生み出しているのが磁力であることから、磁力を遮断する兵器を作って円盤を墜落させる作戦に出るのだが…。
本作はあの人形アニメの大家、レイ・ハリーハウゼンが特撮を担当した古典SFの快作である。本作では空飛ぶ円盤ということで彼のストップモーション撮影によるモンスターは登場しないものの、代わりにその技術力の高さを生かした合成カットが数多く見られた。特に都市上空を円盤が編隊飛行するカットや撃墜された飛行機が空中で爆発分解していくカットなんかは、観ていて合成だというのをあまり感じさせないように作られており、今見てもなかなかの迫力である。ストップモーション撮影を駆使して表現されるビルが崩れ落ちるカット(スロー撮影を使っていない!)も、とにかく気合が入っていて良い。
また本作の宇宙人は常に鎧のような防護服を纏っており、ドラえもんのような丸い手から高周波の音波(の割には光線のように直線状に飛んでいるが)を放つことで人間を瞬く間に灰にしてしまうという恐るべき能力を持っている。彼らの防護服が研究者曰く「最高温度にも耐えられる」らしいにも関わらず銃弾を簡単に貫通してしまうあたりが少し腰砕けだが(そもそも最高温度って…)、シンプルかつ古典的なデザインは非常に良い味を出している。
話に関しては非常に単純でこれと言った仕掛けも見られないが、特撮と宇宙人だけで十分に楽しめる映画である。

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