食人族 「評価 C」
ドキュメンタリー映画を撮るためにアマゾンに向かった撮影隊が、突如として消息を絶った。その後一人の男がガイドの案内によって彼らの捜索を行ったところ、食人族の棲家から幾つかのフィルム缶が発見された。それらを持ち帰り、テレビ局の人間達を集めてフィルムを再生する男。フィルムには、あまりにも非常識な撮影方法を繰り返した撮影隊が、原住民の怒りを買ってアマゾン内を追い回されるまでの顛末が断片的に記録されていた。
発見されたフィルム缶から撮影隊の行く末を追うという、後の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の原点となった本作。フィルム発見までの行程やその後観賞するテレビ局の人間などの部分は明らかな劇映画として展開されるものの、フィルムに真実味を帯びさせるため、それらの部分は再現映像ということにされている。だが肝心の撮影隊によるフィルムが、一台のカメラではまず不可能なカット割りを見せていたりと真実味の欠片も無いもので、この手法は失敗していると言えなくも無い。
しかし本作は秘境探検映画として見る場合、撮影隊が鬼畜非道な行いをして食人族に復讐されるという教訓めいた内容が含まれているので、他の映画と違って食人族の方に同情が湧き、襲われるシーンではスリルの代わりに爽快感が感じられるのだ。ここが秘境探検映画としては異色とも言え、他の興味本位な映画と比べるとこのテーマ性は評価できる。この構成のおかげで食人族の残虐シーンまで薄らいでしまったのは問題だが、全体としては結構楽しめる映画である。
食人族映画一覧へ
GO TO TOP!!