女子高生チェーンソー 「評価 A」
女子高生の仲良し5人組は、新入りの1人と付き添いの教師、それと運転手の童貞男と一緒にダンスパーティーに向かっていた。ところが砂漠のど真ん中で、突如乗っていた車が故障。運転手がいくら車を調べてもおかしい点は見当たらず、このままではダンスパーティーに遅れてしまうと女子高生達は大騒ぎ。会場に向かおうとヒッチハイクをしてみたところ、一台のレッカー車が止まってくれた。運転していた男は自分が整備士であると告げ、すぐ近くの整備工場で車を修理してもいいと申し出てきたので、大人しく彼の言葉に従う一行。そこでレッカー車に牽引され、彼女らの車は人里離れた怪しい整備工場へと運び込まれた。車の修理が終わるまで、工場の一室で待機する彼女達。これから恐怖の連続殺人劇の幕が開かれるとは知らずに…。
「ビヨンド・ザ・リミット」に続く、新生アルバトロス・コアの第二弾である。「女子高生とチェーンソー、夢のコラボレーションが実現!」という予告編が素晴らしい本作。この謳い文句に反してチェーンソーが出てくるのは1シーンだけなのが不満ではあるが、作品自体は80年代のスプラッター映画を基に、見事なコメディ映画として仕上がっていた。
普段から欲望剥き出しの女子高生達と、表面上は理性的に振舞っておきながら実際は欲望の塊である付き添いの教師。世間のオヤジ達なら堪らないであろう彼女達の掛け合いもさる事ながら、随所に散りばめられているホラー映画の定番を逆手に取ったギャグも笑える物が多く、なかなかに楽しませてくれるのだ。
さて本作、中盤以降スプラッター映画として進行するが、サスペンスとしての要素は非常に薄い。最初の殺人の時点で犯人がモロバレで、推理する楽しみが無きに等しいのだ。だが、普通に観ていると物足りなく感じるようなこの点までも本作は
終盤のギャグへの布石だというのだから恐ろしい。犯人を分かりやすくして観客を一旦興冷めな雰囲気にさせておきながら、実は犯人には大爆笑の真実があって、それについての伏線も冒頭でしっかり張ってたのである。
詳しいことはネタバレになるので述べられないが、この二段構えの仕掛けにはただただ唖然とさせられることだろう。
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