ザ・格闘王               「評価 D」
世界最強の男を決める格闘大会が、日本のとある組織の援助によって行われることになった。大会の出場者として世界各地から名のある格闘家が招待される中、ロスで格闘道場を開いている男(早い話がショー・コスギ)もその大会に招待される。ところがその大会を後援しているのはホワイトドラゴンという闇の組織であり、前々から彼らを壊滅させようと行動を起こしていたショー・コスギは大会が始まる前に、組織の手の者によって殺されてしまう。そこで一緒に日本に来ていた格闘家の息子(つまりケイン)が大会に代わりに出ることになり、父の仇を討つためにも謎の老子の元で猛修行に励むのだが…
最近マッスルヒートがケイン・コスギ初出演映画とされるようになったが、どうやら「兜」や本作に彼が出演していたのは無かったことにされているらしい(その気持ち、よく分かるぞ)。
それはともかくとして映画の方だが、当時の格闘チャンピオン達が総出演するという実に豪華な内容なのにも関わらず、作品の雰囲気は非常に安っぽい。肝心の沖縄で開かれる格闘大会は大掛かりな施設を借りたわけでもなく、砂浜に設けられた小さな舞台の上でチマチマと戦いを繰り広げるという侘しいもの。観客も熱狂する格闘マニアの姿など微塵も無く、地元の格闘技のことなんか何も知ってなさそうな老人達がのんびり見学しているという有様。そして試合が終わると叫び声どころか老人達の拍手がパラパラと聞こえるだけで、見ていて実に情けない。きっとキャストのギャラに予算の殆どをもってかれたのが理由だろうが、あんな場所で戦うために呼ばれた格闘家達もいい迷惑というものだ。
おまけにラストはスタッフのヤケクソとしか思えないような衝撃カットで終了するし、どうにもしがたい映画である。

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