殺人狂時代           「評価 A」
ある日、冴えない犯罪心理学教授である桔梗信治の家に「大日本人口調節審議会」という団体の人間がやってきた。この団体は堅そうな名称とは裏腹に選民思想に基づいて殺人を繰り返す殺し屋集団で、次の標的に選ばれた信治を殺しに来たのだ。何とか一人目の殺し屋を倒した信治だったが、全部で十三人いる殺し屋軍団は様々な兵器を駆使して執拗に襲いかかる。そして死闘が続くにつれて、彼等の真の目的が選民以外の別のところにあることが明らかになるのだった。
やたらと人が死ぬOPアニメから観客を煙に巻いたようなラストまで、本作は全編飛ばしまくりの超絶アクション映画である。お気楽スパイ小説ばりに秘密の小道具を駆使して戦う主人公(小道具が007のような最新兵器でなく、クラッカーやおろし金のような現実的な物ばかりなのもまた味わい深い)。対する大日本人口調節審議会の殺し屋十三人も、カード使いや鞭使いを始め、果ては催眠術師や義眼から光線を放つ奴まで出てきたりと、実にナイスな顔ぶれ。殺し屋集団のくせにPR映画を作っていたりと、「この主人公にしてこの敵組織あり」と唸らずにはいられないのだ。しかも恐怖奇形人間の冒頭を彷彿とさせる収容所で繰り広げられるクライマックスの対決では、収容されている狂人達がタップダンスをして対決を盛り上げたりと、映画の所々で製作者のセンスが光っているときた。スパイ映画が好きな人は必見の快作である。

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