ジュラシックジョーズ         「評価 C」
ハワイのとある島では、ダイバーや観光客が次々と謎の失踪を遂げていた。島の人間達は彼等は海に溺れてしまったのだろうと考えていたのだが、ある日近くの海底から食いちぎられた人間の腕が発見されたのである。それを知った島の海洋生物学者は一連の事件を気候変動によってハワイ近海にやってきた鮫の仕業と考え、既に鮫の姿を目撃した島の詐欺師やホテルの広報係らと共に船を出し、鮫の退治に乗り出した。ところが彼等は鮫を追い詰めるどころかかえって鮫を島のリゾートビーチにまで誘き出してしまい、島は突然の鮫の出現によってパニックに陥る。「このままでは島の財源である観光客が来なくなる!」と危惧した島一番のホテルのオーナーは、鮫に賞金を出し、観光客達に鮫を捕まえさせることによって客が島を離れるのを防ごうと画策した。するとその狙いは的中し、島を離れようとした観光客達も続々と鮫退治に乗り出したのである。だが果たして、ろくに知識を持っていない観光客に鮫は退治できるのであろうか!?
という内容の本作は、前半と後半のギャップが非常に激しい珍作である。前半部分はリゾート地に現れる鮫や、鮫の存在を隠しつづけるオーナーなど、なかなか定番を貫いた展開をしている。だがそれは裏を返せば、何とも退屈で話に意外性が全く見られないというわけで、はっきり言って前半部分は「ジョーズアタック」にも匹敵する駄目映画と呼べる。ところが映画の後半部分、オーナーが鮫に賞金をかけたあたりからこの映画はいっぺんにおもしろくなるのだ。普段からリゾート地で遊んでばっかりいる観光客は、鮫の知識なんか皆無に等しい。そのため賞金のためと槍やクロスボウなどの様々な武器を持って海に出る彼等の勘違いっぷりが、見ていて非常に楽しいのである(しかも観光客の中には「バンザイ、ニッポン!」と絶叫しながら刀を振り回す、これまた勘違いなスズキさんという名の日本人キャラが出てくる!)。おまけにラストも非常に唐突な終わり方だし、この映画は馬鹿映画としてはなかなかの出来であった。

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