サヴァイバル 「評価 C」
本作は非常に「難解」である。いや、もしかすると難解というよりも本当にわけが分からないのかもしれないが、それでもこの映画の中に無数と言っていいほど散りばめている伏線(もしくは、それらしいもの)を見ていると、本作は実は凄まじく緻密な構成をしているのでは? と思わずにはいられないのだ。
とある高校で8人の生徒を集めての個人研究授業が行われることになった。ところが、授業が始まるというのに生徒の1人であるマークは学校に姿を現さない上、授業をすることを伝えた先生もいつまで経っても教室にやってこなかったのだ。しかも授業開始時刻の直前に謎の停電が発生し、非常灯がついたら生徒の1人が突如姿を消していた。その消えた生徒を探すために残された生徒達は教室の外へと出たのだが、舞台の地下、倉庫、屋上で1人、また1人と生徒は姿を消していき…。
「首吊り」の研究発表、ブライアンの不審な行動、劇中で流れるいかにも意味ありげな歌など、先ほども述べたように本作の劇中には多くの伏線らしきものが存在しており、それらが「この映画の結末はあんな単純なものではないはず」と観客に思わせてしまっている。そのため観客を引きこむという点ではこの映画は非常に良く出来ているのだ。だが果たして、この映画は本当に緻密な構成をした隠れた佳作なのか? はたまた伏線が多すぎて未消化に終わった駄作なのか? 少なくとも私は、劇中のやたらと使いまわしの多いセットなどを見ていると明かに後者の方だと考えているのだが…。
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