人蛇大戦 蛇                  「評価 C」
やっぱりCGより本物のほうがリアルである。実際、この蛇映画では全てのシーンに本物の蛇を使っている上、よりによって大量発生型。そのため全編にわたって本物の蛇がうねうねと画面狭しに動き回り、蛇マニアは泣いて喜び、蛇嫌いは泣いて失神すること請け合いの作品なのだ。
香港のとあるマンションの建設現場で、蛇塚が発見された。そのため建設ができないというわけで、なんと建設会社の社長は蛇塚の蛇を皆殺しにしてしまう(死ぬ蛇も全部本物。体を切断されても動き回る蛇達の姿は、ある意味下手なホラーよりよっぽど怖い)。こうして大量の蛇が死んだので、作業員は晩飯に蛇鍋を楽しむことが出来た。だが、それが生き残った蛇達を怒らせた! 蛇は次々と人々を襲い、遂に死人まで出てしまった。そこで社長は、蛇料理を得意とする蛇退治のプロに仕事を依頼する。だが蛇は恐るべき頭脳プレイで罠をかいくぐり、作業員を次々と餌食にしていく。その蛇達の様子をみた蛇退治のプロは、蛇達を統率する親玉がいると考え、何百匹もの蛇に囲まれても全然平気という蛇好きの鑑とも言うべき師匠に親玉の退治を依頼したのである。そして師匠と大蛇の死闘が始まった。圧倒的な力で迫る大蛇に、師匠は一回死にかけるものの、なんとか機転をきかせて大蛇の捕獲に成功した。大蛇が捕獲され、すっかり安心した社長達。マンションを手早く完成させると、落成記念パーティーを盛大に開いた。ところが、その大蛇も真の親玉では無かった! 更に巨大な大蛇が指揮する蛇軍団が、事もあろうにパーティー会場に迫りつつあった…!
このように、本作は実に定番…というかありがちな内容となっている。「蛇が指揮官を連れている」という顛末には頭を抱えてしまうが、本作の最も凄いところは蛇に襲われる役者の顔であろう。群がってくる蛇が全部本物なので、役者の気合いがまず違う。中には毒蛇だっているので、蛇に全身に絡まれて襲われるシーンの役者達の顔はいかなる名優の演技も真っ青と言っても過言ではあるまい。おかげでクライマックスの地獄絵図も印象深いものになっており、そんな意味でも、CGより本物の方が生々しくてリアルだと感じさせてくれる作品なのである。

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