シャークアタック 「評価 C」
アメリカの便乗映画界も大変だ。大会社(ワーナー・ブラザーズやユニバーサル・ピクチャーズなど)が作る最新作の情報をいち早く掴み、その最新作が完成する前に、自分のところで便乗映画を作って急いで上映する。こうしてある程度の儲けを得たら、また大会社の最新作の情報をいち早く掴んで…の繰り返しで、これで生活している人がいると思うと誠に感心してしまう。映画に限らず便乗というものはブームに熱があるうちが肝心なのだから、当然彼らの頭に「公開を遅らせる」という言葉は無いのであろう。そして本作は、あの鮫映画「ディープ・ブルー」が劇場公開されていた時に、ひっそりとビデオリリースされた作品である。
ところが本作、自らの金儲けのために村の漁業を潰そうとする連中に主人公達が立ち向かう話で、別に鮫が出てこなくてもストーリーが成立してしまうから困る。また折角本物の鮫を用意しているにも関わらず、カメラワークがお粗末なために鮫と人間の格闘シーンが捉えきれていないのだ。一方でクライマックスの人間同士の戦いは大迫力で、どう考えても鮫より重要視されているのが情けない。
鮫があまり話に絡んでこないのを観る限り、「最初アクション映画で撮っていたけど急遽鮫を出すことにしました」という製作側の様子が垣間見えそうな映画であった。アクション映画としては満足のいく出来だが、決して鮫映画を期待してはいけない。
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