スネーク・アイランド             「評価 B」
ボートに乗り、アフリカを旅行している団体がいた。その途中で乗客の一人を降ろすために小さな島に立ち寄ったのだが、近くの木にぶら下がっていた蛇がボートの上に落下し、観光客達はたちまちパニックに陥った。しまいに散弾銃まで取り出して蛇を始末する一行だったが、おかげでボートが壊れ、彼らは別の船が立ち寄るまでこの島で足止めをくらうことに。不満に思いながらも、島での一日を楽しく過ごす一行。しかしこの島は「スネーク・アイランド」と呼ばれ、地元民にすら恐れられている蛇の楽園だったのである。
大量発生型の蛇映画でありながら多彩な種類の蛇が画面狭しと登場し、似た外見の蛇しか出てこない「スネーク」や「人蛇大戦 蛇」「ホットゾーン」などと比べると視覚的にも楽しい出来になっている本作は、実に爽快な馬鹿映画である。
とにかく様々な場面において、製作者達の悪ノリが爆発! 観光客の女がストリップをするシーンでは鳴っている音楽に合わせて蛇がダンスを踊る。シーツの下、男の股間部分で蛇が首を上げ、それを見た女が誤解する。蛇の撃退に疲れきった女は、「ヘビを甘く見るなメス豚め〜♪」と蛇が歌っている夢を見る(歌に合わせて蛇の口がパクパク動くシーンは必見)。こんな感じでクライマックスまで一気に突っ走り、最早話に関するツッコミ所など一切気にならなくなってしまうのだ。
しかもどう見ても玩具の蛇を「こいつらは死んだフリをしているんだ」とマッチョな説明を付けて堂々と使っていたり、役者と本物の蛇が一緒に映る数少ないシーンは、死体の口から小型の蛇が這い出てくるという俳優のガッツが炸裂しているものだったりと、とにかくこの手の映画が好きな人間のツボを突いた展開が目白押し(ちなみに役者と本物の蛇の競演は上に述べたシーンだけで、他は全て模型やCGによるもの。模型の蛇が貼りついた服を着て暴れ回る場面なんかは素晴らしすぎて言葉も出ない)。 クライマックスになると普通の蛇映画に戻ってしまうのが残念だが、数ある蛇映画の中でも飛び抜けた馬鹿映画として印象深い映画だった。
(余談:本作はリリース当時にクイズキャンペーンというのが催され、ビデオの最後に出てくるクイズに答えた人にプレゼントが贈られたのだが、その商品が以下の通り。
「キングコブラ賞 AMラジオライト」
「ガラガラヘビ賞 アーミーモデル腕時計」
「マムシ賞 リバーシブル・ジャンボトートバッグ」
どれも蛇とこれっぽっちも関係無く、こんな企画まで笑える映画だった)

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