人間蟲 「評価 C」
数千年の時をかけて進化を続けた寄生生物がいた。彼らに憑依された人間は吸血鬼に変貌し、夜な夜な生き血を求めて街を彷徨う。人類は彼らに対抗するために、寄生生物に個人的恨みを抱く者たちに吸血鬼ハンターとして働いてもらうことにした。この映画は、地上に12人いると言われる吸血鬼ハンターの1人、マーティンの活躍を描いた作品である。
マーティンは牛刀のような巨大なナイフを振り回し、吸血鬼の唯一の弱点である首を大根のように切断していく。ノリノリのBGMに合わせて行われる血みどろの退治シーンは非常にスタイリッシュで、観ていて気持ちいいことこの上なかった。
ただこの映画、上映時間を丸ごと使って世界観の説明をしており、ストーリーが窮屈で広がりに欠ける。観客はずっと作品世界が掴めない宙吊りの状態で放置されるので、劇中のアクションやマーティンのハードボイルドな生き方にどっぷりと酔いしれることができないのだ。更に焦らせるだけ焦らして明かされた舞台に大きな意外性があるわけでなく、正直もっと早いうちに説明した方が良かったのではと思われてならない。構成の不出来が、アクションシーンの美点を削いでいる作品である。
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