ジェットローラー・バス 「評価 C」
「人々はパニックになった時、どのような行動をとるか」という事をテーマにした映画が、「大地震」をはじめとする、パニック映画というジャンルである。本作も一応はこのジャンルに当てはまる作品なのだが、あまりにもパニック状態の行動が軽率過ぎて、見ていて腹が立つこと請け合いの仕上がりになっている。
話の内容は、こうである。ある親父が掘っていたトンネルが落盤して、トンネルの上を通っていた道路が陥没。そして、道路を走っていたバスが陥没した穴に落ちたのだが、そのバスには親父の息子が乗っていた…。物凄い偶然によっておきた惨劇なのだが、事故を起こしたトンネルを掘った親父はというと反省のかけらもなく、無茶な方法で息子の命を救おうとして事態は更に悪化するのだ。
またバスの乗客であるおっさんは自分だけが助かりたいというエゴの固まりで、どう見ても終始パニック状態だったのだが、彼がラストでTVのインタビューに対して言うセリフにはまいった。
「誰もパニックに陥らず、冷静だったよ」
…ここまで来ると、エゴどころではないと思えてくる(リアルとも言える)。
この映画、とにかく親バカな大人とエゴの固まりの大人が非常に印象に残ってしまう。冷静な大人の数が異常なほど少ない、バスの中と道路の周りの異様な空間がすさまじい1本である。
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