トレマーズ             「評価 B」
ネバダ州パーフェクション市で便利屋をしているコンビ、バルとアール。ある日のこと彼らは、鉄塔にしがみついたまま死んでいる老人を見つけた。調査によると老人は凡そ5日間も水を飲んでおらず、ずっと鉄塔の上にいたらしい。何か降りられない事情でもあったのだろうか、と首をかしげる二人。だがしばらくして、その答えは自分から姿を現した。地中を物凄いスピードで掘り進み、音と震動を出すものに片っ端から食い付いていく巨大生物「グラボイズ」が…。
最近になっても尚新作がリリースされ続けている、御存知地底生物シリーズの一作目。話の方は舞台設定も含めてありふれたもので、特に見るべき箇所もないのだが、巨大生物グラボイズはモンスター映画好きならぜひとも見ておきたいキャラである。芋虫のような胴体に、あらゆる物を噛み砕く牙、そして獲物に食らいつく何本もの舌という斬新なデザイン。また地中を移動する際に地面が盛り上がっていく演出も、鮫映画に出てくる背ビレと同様、怪物が迫っていることを観客に自覚させて緊迫感を増すための重要な要素として働いていた。
さてそんな本作の一番の見所は、やはりグラボイズとの戦闘シーンとなるだろう。なんと言っても登場するグラボイズ4匹が、全て異なった場所で異なった倒され方をするのである。一匹倒されるごとに残されたグラボイズ達は学習していくので、前に使った退治方法は一切通用しなくなるのだ。おかげで戦いはマンネリに陥らず非常に見ごたえのあるものになっており、凡百のモンスター映画との差別化に成功していた。
ことグラボイズに関しては見物なこの映画。モンスター映画の中でも良作の部類に入る作品である。

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