大怪獣襲来グジラ          「評価 C」
氷の惑星で悪の帝国を築いている大王ドゥーム。彼は何もない星を支配することに空しさを感じ、地球を自分の物にするべく両棲怪獣グジラを送りこんだ。それを知った銀河警察は早速グジラの殲滅とドゥームの逮捕に動き出そうとしたが、ドゥームの要塞から放たれた光線によって銀河警察の本部は主な機能を停止してしまう。そこで銀河警察は地球近辺を偵察中のモグヤと連絡をとり、グジラに対抗できる兵器を開発しているナポリへと彼を誘導しようとするのだが、事故によって軌道にずれが生じ、モグヤはアメリカのとある街に着陸してしまった。その場に居合わせたウェイトレスとバイク乗りのおっさんに事情を説明し、ナポリへと向かおうとするモグヤだったが、そこにMIB率いる軍隊が出現。モグヤは珍しいエイリアンとして生け捕りにされ、ウェイトレスとバイク乗りも宇宙人とコンタクトをとった人間として身柄を拘束されてしまった。一方その頃、モグヤが地球に降りた事を知ったドゥームの部下は、グジラにモグヤを始末するよう命じる。それを受けてグジラは、ビル街を破壊して軍の研究所に向かって動き出した…。
「巨大怪獣ザルコー」と同じ会社が製作しただけのことはあり、日本の怪獣映画へのリスペクト、怪獣映画への熱い心が詰まったこの映画。どうやら「ザルコー」よりも予算がアップしたらしく、銀河警察の本部やドゥームの帝国がある惑星なども全てミニチュアで描かれており、スケールの拡大に一役買っている他、「ザルコー」ではクライマックスでしか見れなかった大規模な都市破壊シーンも数多く登場する。(中には「米国ゴジラなんか目じゃないぜ」と言わんばかりにグジラが米国ゴジラの巨大ポスターが張られたビルを粉々に破壊する場面もある)
だがそんな中でも一番凄いのは、グジラを倒すパラボラ兵器を組み立てるまでの手順であろう。何とかMIBの目を掻い潜り、研究所から脱走したモグヤ達は、潜伏先のホテルでナポリが既に壊滅させられているのを知る。そこでモグヤは自分達の手でグジラを倒す兵器を作ることにするのだが、その時研究所内で軍の上層部に電話をしていたMIBのことを思い出した彼は、MIBが押していた電話番号と会話の始めに言っていたコードネームを利用して軍の施設に兵器の製作を依頼したのである。「ホテルから電話したらさすがにばれるだろ」「そもそもなんで軍の連絡を電話で?」といった数々の疑問を退け、なんと数時間後にはちゃんと兵器が完成してしまうのだ。モグヤに踊らされてしまう間抜けなアメリカ軍の様子は必見。
悪の帝国の構成員がドゥームとその部下の二人だけだったり、ニュース映像が「ザルコー」の使い回しだったり、都市破壊シーンでは車のクラクションや人の悲鳴は聞こえるが逃げ回る人や車の姿が全く無かったりと、やはり低予算故に気になる点はあるものの、日本の怪獣映画への愛に溢れた作品だった。

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