ダイナサウルス 「評価 D」
冒険家のホワイト教授が、崖から転落して死亡した。偶々彼の死ぬ場に居合わせたチャレンジャー教授は、彼から瓶詰めにされた恐竜の死体を託される。驚くべきことにホワイト教授は、恐竜が生存しているという奇跡の地を探検してきたのである。この証拠を受け取ったチャレンジャー教授は、ロンドンの学会で恐竜の生存を説いた。だが恐竜の死体を目の当たりにしても尚、学会の反応は半信半疑だった。そこでチャレンジャー教授は完璧な証拠を掴むため、サマリー教授や新聞記者のマローン、ロクストン卿、そしてホワイト教授の娘と共に秘境の地へ旅立つことになった…。
このHPではすっかりお馴染みとなっている「ロストワールド」だが、本作はアメリカのTVドラマとは異なる、独立した映像作品としての「ロストワールド」である(なんで「ダイナサウルス」なんて邦題が付けられたのかは謎だ)。
凡そ120分ぐらいの時間で話の決着を付けているため、サマリー教授やロクストン卿といった面々が物凄いハイペースで死んでいくのがドラマ版しか観ていない私にとっては非常に衝撃的だったりするが、それより何より本作、物凄く不可解な点が存在した。なんと恐竜の住む秘境の地がアマゾンではなく、モンゴルの山奥となっているのだ。「恐竜の島」のように、その地帯だけは温暖になっていたおかげで恐竜は生き残っていたという設定になっているのだが、風景自体はアマゾンのそれと大して変わらず、決して撮影の都合とかでは無さそうだ。なんでこんな舞台変更を行ったのか、甚だ謎である。
しかも、この変更が何か功を奏しているかと言えばそうでもなく、かえって話を不消化なものにしているのは感心できない。本作ではガイドとしてモンゴロイド系の姉弟がチャレンジャー隊に同行し、彼女らの祖先が秘境の住民らと関係があるような素振りを見せる場面は存在するものの、結局これについては何の解決も見せないまま姉弟は死んでしまうのだ。
原作を大胆にアレンジしたという点ではTVドラマ版と共通する部分を持つ本作だが、そのアレンジが生かせていない分、TVドラマ版に比べるといまいちな感じであった(勿論、ドラマ版のエピソードも玉石混交だったりするが)。
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