デスバーガー 「評価 B」
ブランカ・カルネ市で人気のハンバーガー・ショップ、ヘラ・バーガー。深夜にこの店を訪れた高校生達が、マスコットのピエロ“ホーニー”のマスクを被った男に殺害される事件が発生した。ところが殺害現場には彼らの死体が無く、ただ血まみれの車だけが残されていたのである。その後もホーニーによる若者殺しは立て続けに発生するものの、決まって現場には死体が残されていなかった。その一方、被害者たちのクラスメイトであるマッケンジーの身の回りでは、事件が起こる時になると決まって、事件の発生を暗示するようなメッセージが出現していた。彼女はこの事件の裏に重大な秘密があるのではと感じ、事件が起こってからというもの妙に挙動不審な母親に疑いの目を向ける。そして母親を問い詰めたところ、彼女はマッケンジーに恐るべき事実を打ち明けた。彼女や他の被害者の親たちは皆、若い頃ヒッピー仲間で、数十年前にヘラ・バーガーの店長の息子を悪ふざけで死なせていたのである…。
女子高生とハンバーガー店のマスコットとの闘いを描いた、アルバトロス・コア発のティーンエイジ・ホラー。ピエロの格好をしたハンバーガー屋のマスコットが包丁片手に人を襲うコンセプトといい、店長役に「スーパーサイズ・ミー」のモーガン・スパーロックを配すキャスティングといい、明らかにマクドナルドを意識したブラックジョーク色の強い内容だ。特に劇中で流れるヘラ・バーガーのCMは、河口湖に現れたホーニーを自衛隊がミサイルで攻撃したり、水着美女がパイオツを晒そうとしたりと、良い感じにチープ臭さが漂っているものだから笑わずにはいられなかった。またホラー映画としては本作、殺人鬼ホーニーの残虐性が光っていた。切り取った顔をフライヤーに突っ込み、頭を電子レンジに入れて破裂させ、包丁の一閃で胴体を真っ二つ──。何とも情け容赦の無い鬼畜ぶりで、全身タイツにピエロのマスクという容姿も相俟ってかなりのキャラクター性を発揮していたのである。ただ本作、マッケンジーの周りに出現する暗示が何の役にも立たなかったりと、ストーリーに無駄な箇所が結構あったのが気になった。
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