デスゲーム 「評価 C」
臓器移植が当たり前のように行われるようになった現代。少しでも人の役に立ちたいという人間ならば当たり前のようにドナーカードに提供すると意志表明しているが、忘れてはならない。臓器を提供するのも人間ならば、それを管理するのも人間なのである。管理する人間がシステムを悪用したら臓器が強引に奪われるなんていう事態も十分に起こりうるわけで、「モンティパイソン 人生狂騒曲」で描かれていたような喜劇・・ではなく悲劇が、近い未来に本当に起こるかもしれないのだ。そして本作では、臓器移植システムが進行して臓器売買までが合法化された近未来に起こった悲劇が描かれている。
フォルスターは賭け事に負け、多額の借金を背負っていた。このまま金を返さないと自分は殺される!と考えたフォルスターは、金を手にいれるために臓器売買の大手であるライフコープ社へと逃げ込んだのだ。この会社と契約すると多額の金を借りる事が出来るのだが、その代わりに2年たっても金を返せない場合、強制的に臓器を提供しなければならなくなる。だが今殺されるよりは2年間の猶予をもらった方がいいと考えたフォルスターは、やむを得ず会社と契約することに。さっそく2年後に逃げられたりしない為の電子チップが彼の頭に埋め込まれ、フォルスターは多額の金を借り入れた。その金で借金を返したフォルスターは後日ライフコープ社へと向かったのだが、そこへ突然社の人間が襲いかかったのである。なんと2年もあったはずの期限が何者かの陰謀により0にされており、もはやフォルスターは会社にとって臓器を奪う対象と化していたのだ。いったい何故期限が0になってしまったのか?フォルスターは悩みながら、次々と襲いかかる社の人間から逃げ回る羽目に陥ってしまった・・・。
本作は何故「デスゲーム」なんて内容と関係ないタイトルが付いたのかいまいち意味不明だが、それはいいとして結構低予算での未来らしさの演出が上手く、なかなか良質なSFアクションとなっている。話の中で他のSF作品から横取りしたようなネタが多々あったり、臓器移植をテーマに据えておきながら話の意外性が薄かったりと、努力の割には話の出来があまり良くないのが残念ではあるが、それでもアクションシーンにはそれなりの迫力はあるし、全体としては楽しめる出来の作品であった。
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