デンジャーゾーン タービュランス3       「評価 A」
人気ロックバンドのヴォーカルであるスレイドは、あまりにも毒々しい衣装のために熱心なキリスト教徒達から「悪魔崇拝者」として叩かれていた。そんな彼はある日、テレビ局や航空会社と組んで飛行中の航空機の中で盛大なライブを行うことになったのだ。そして数日後、飛行機の離陸と同時にライブが始まり、航空機の中だというのにも関わらず、大いに暴れ回る観客とスレイド達。そのあまりの騒ぎっぷりに飛行機が墜落するのを恐れた機長は、乗客を静まらせるためにライブ会場へと向かった。ところが驚くべきことに、会場に来た機長をスレイドが撃ち殺してしまったのである。目の前で本物の殺人が行われ、悲鳴をあげる観客達。しかもその時飛行機は突然進路を変え、カンザス州の小さな教会に向かい出したのだ。果たしてこの飛行機に何が起こっているのか!?そしてスレイドの真意とは!?
タイトルで分かる通り、本作は絶対に有り得ないシチュエーションで飛行機の危機を描くのがウリの「タービュランスシリーズ」の3作目である。だからこそ本作も「機上ライブ」という実際に行われたら墜落必至なことを平気でやってるんだが、もしこれが普通の航空パニックモノだったら「ライブで乗客が暴れて機体が傾いたことで墜落の危機」ぐらいの展開に終わらせてしまうだろう。ところが意外なことに本作はスレイドが機長を殺したあたりから、発生した乱気流なんかそっちのけで犯人の謎解きをしたり、「エアフォース・ワン」ばりの乱闘を繰り広げたり、最後には素人が飛行機の着陸に挑戦したりと、思いっきり特異(というより無茶)な展開を始めるのだ。だがこんな無茶な展開にも関わらず、本作は話の進み方が非常にスムーズなので、まず観ていて飽きることが無い。途中から乱気流がすっかり忘れ去られているのが残念だが、それでも本作は航空パニックモノとしてはなかなか秀逸な作品であった。

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