チュパカブラ・プロジェクト 「評価 C」
ご存知の通り、本作は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と「ジャージーデビル・プロジェクト」のビデオ化に併せてリリースされた便乗映画である。ビデオのパッケージ裏にはいつもの通り「これはブレア・ウィッチ・プロジェクトが偽者と分かるほどの真実の記録だ!」というような大げさな宣伝文句が書いてあったのだが、本作を観終わった後、いっそう「ブレア〜」が本当っぽくみえてきたのは私だけではあるまい。
本作は基本的に「ブレア〜」同様に似非ドキュメンタリータッチで進行するのだが、なんといったって役者の演技からしてダメ過ぎる。本作では真実味を増そうとしてかリポーター役に素人を起用しているのだが、所詮素人なので撮影カメラが回った途端に不自然な演技をしてしまうのだ。偽ドキュメンタリーだからこそ、カメラが回っても自然な演技をしていられるだけの演技力が要求されるというのに、本作の製作者はそれがまるで分かっていないのである。しかもそんな学芸会でも見ているかのような演技で話が進行していく・・・と思ったら、なんといきなり開始十数分で、チュパカブラが堂々と登場しちゃったのである。「ブレア〜」では最後まで魔女の姿が登場しないから真実味があったというのに、これじゃあ本当にリアルさのカケラも無いじゃないかっ! まんまB級モンスターの造形が個人的に嬉しいが、リアルさの全く無い着ぐるみを見ているとますます学芸会を見ているような気分になって悲しくなってくる。
で、映画はその後延々とチュパカブラとの追いかけっこに突入するわけだが、この悲しい出来に拍車をかけるが如く、なんと本作のラストには捕えたチュパカブラの解剖シーンが用意されていた! 宇宙人解剖フィルムにヒントを得て作られたんだろうが、本家がそれなりにリアルな人形を使われていたのに対し、本作の解剖シーンは人形の腹に綿くずとビニールチューブを詰めただけという、なんとも貧相な代物。もうここまでくると感動の域に達してきてしまったので評価はCとなったが、実際は本家に遠く及ばないゴミ映画である。
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