とびだす冒険映画 赤影             「評価 B」
赤影だ。あの「RED SHADOW」で復活した、横山光輝原作のヒーローモノの映画版である。この間リメイクされた赤影はとても赤影と言い難い作品だったので本家を見直すという目的で本作を観たわけだが、やはり「RED SHADOW」と比べ物にならないくらいの名作であった!怪しい仮面をつけ、絶対実現不可能な忍術を操る正義の忍者、これこそが赤影だ(なんだか妙に親父くさいような・・まあいいや、事実なんだから)。
さて本作の基本的な内容だが、これはまんまテレビ版赤影の「金目教篇」を再編集して劇場公開用にまとめたものである。ハッキリ言えば手抜きなんだが、劇場版にテレビ版の再編集を用いるというのは月光仮面や仮面ライダー(第一作)も行っている手法で、当時としてはそう珍しいことではない。その頃の子供は「大スクリーンでテレビヒーローを見る」ことが目的だったので、実際それだけで十分だったのである。まあ確かに、テレビ版1クール分の内容を50分という非常に短い上映時間にまとめるという都合上、霞谷七人衆との戦いが結構カットされていたり、金目教教祖が実は甲賀忍者で、伊賀の赤影達を倒すために金目教を開いた云々の話が丸々スッ飛ばされていたりするんだが、難しいストーリー抜きに赤影が敵忍者と延々と勝負を続ける様子は、実に観ていて楽しいし、子供の満足のいく仕上がりになっている。それに編集上で省かれたストーリーも新しく付けられたナレーションで補完されているし、良質のヒーロー活劇として成り立っている作品であった。
ちなみにこの映画、劇場版ということで、なんと劇場公開時は「立体メガネ」を使った立体映画だったらしいのだ。さすがにビデオでは立体を再現するわけにもいかず(ムリヤリ再現して失笑をかった「飛龍神拳」の例もあるし)、劇場版でメガネをかけて観ていた部分は白黒映像で収録されている。そのためどの部分が立体だったのかがビデオ版でも分かるようになっていたのだが、そこで一つだけ不満に思える場所があった。金目教教祖や霞谷七人衆との戦いはおおかた立体映像になっているのだが、何故か肝心の金目様との戦いが立体映像になっていないのである。実際に立体映像を見ていない人間の言うことでは無いかもしれないが、話の一番盛り上がるところなんだから、ぜひとも金目様との戦いは立体映像にして欲しかったものだった。

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