タイカス 「評価 D」
本作は、地震、雪崩、火山噴火、火災、隕石と、実に多くの種類の災害が、まるで寿司詰めのように登場する世紀末映画である。「弾丸特急ジェットバス」もまた様々な種類の災害を取り扱った映画だったが、「弾丸特急〜」はあくまでもパロディであり、映画の中に真剣味は無い。だが本作は大マジメ。こんな企画を本当に実現してしまうなんて、製作者の恐ろしさをつくづく実感するばかりである。
だが本作、肝心の内容が感心できないものだった。CGやミニチュアを使った特撮がチープなのは良いとして、雪崩や地震や火山噴火など、隕石以外の災害があまりにも軽く扱われているのはどうしたものか。地震を報道で知らせるシーンなんて、過去のニュース映像をつなげて作っているので、シーンの途中で画質が変わってしまうのだ。
また本作、主人公の行動に一貫性が感じられないのである。劇中で何度も主張が変わり、徒に周りを混乱させるばかり。
おかげで災害にのめりこむ事もできず、観ている側はただ主人公の突飛な行動に呆れるしかないのだ。
パニック映画の要素を貪欲に取り込むのは悪くないが、それを生かしきれず、不出来になってしまった映画だった。
GO TO TOP!!