弾丸特急 ジェットバス 「評価 B」
本作は、パニック映画をパロディ化した映画である。冒頭に流れる「都会を大地震が襲う映画があった。巨大な船が沈没する映画や、ビルで大火災がおこる映画もあった。そしてこれは、原子力で動くバスの物語である」というナレーションが表すように、わずか90分の上映時間の間に、爆発事故、原子炉、カニバリズム、暴風雨、復讐に燃える女性、時限爆弾の解除、火災、ストライキ、車両の暴走、乗務員(乗客)の反乱、パニック時でも呑気にしている馬鹿、落石事故、車同士の衝突、崖に半分落ちかけるバス、洪水、危険状態からの脱出、凍えるような寒さ、地震…と、「パニック映画」の定番が目白押しで次々と出てくるのだ。
だが本作、あまりに多くのテーマを扱いすぎたため、必然的に1つ1つの掘り下げが浅くなっている。バスの破壊を狙う悪の組織(首領の祖先はタイタニックを沈没させた人物らしい)は、結局した事と言ったら「時限爆弾を仕掛ける」だけだった上、最後は納得いかない方法で自滅してしまう。また映画のクライマックスは何の工夫も無い「自分達の力で片付けました」的方法で危機を乗り越えてしまうといった、ギャグになっていない場面の不条理も本作では多いのである。しかしパニック映画のパロディはほぼ休むことなく炸裂するので、パニック好きならぜひ見ておきたい映画だ。
GO TO TOP!!