ダブル・エスケープ 戦慄の夜(別題:パニック・モール)      「評価 C」
本作は、あの洪水映画「フラッド」の便乗作品である。この映画の内容もフラッドと同じように、田舎の村を洪水が襲い、脱獄囚(フラッドだとテロリスト)が暴れ回るというものなのだ。
この映画、なんと巨大なショッピングモールが洪水に襲われて水浸しになるという、何とも金がかかっていそうな内容だ。しかしよく考えてみると、本作は他に金のかかっていそうなシーンが全然無い。洪水に襲われて入り口を塞がれたショッピングモールから脱出しようとする人々と、その人々を人質にとる脱獄囚の攻防を描いた作品なので、ほとんどの話はショッピングモール内で進行する。他に登場する場所といえば、明らかにスタジオ撮影である刑務所内とダムの監視所、それと高校の体育館内と山道だけであり、ロケ撮影に金がかかるような場所は全然無い。村が洪水で大変な事になっているという事はテレビの映像と警官の台詞で流されてしまうし、ダムが崩れてショッピングモールが水浸しになるシーンは安い模型で表現されている。おまけにそのショッピングモール内のシーンだって所々にスタジオ撮影と思われる部分があったりするから、実際には大して金がかかっていないらしい。
また話の方は、「フラッド」というより、「ポセイドンアドベンチャー2」といった感じなのだが、脱出しようとする人の必死さがあまり伝わってこない。密室サスペンスを絡めたアクションは見る所もあるのだが、パニック映画としてはいい出来とは言い難い映画だった。

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