トルネード・エクスプレス 「評価 C」
「アクションの無いアクション映画」。この映画の内容をたった一言でまとめるとすれば、こうなってしまうだろう。一応アクションシーンもあるにはあるのだ。主人公が線路の上の橋から走っている列車に飛び移るシーンや、テロリストに乗っ取られた列車に特殊部隊が強行突入するシーンだってある。しかしこの映画、そういったアクションシーンの時間は極端に少なく、ほとんどは政府の対策本部で進行するのだ。
核廃棄物を乗せた輸送列車がテロリスト達に乗っ取られる…という内容のこの映画、例によって主人公の娘がテロの人質にとられたりするものの、他のアクション映画とはちょっと違う点がある。主人公は娘を救出するために単身で列車に乗り込むような無茶はしない。なんと対策本部へ向かい、テロリスト達と交渉を始めるのである。そう、本作はアクションよりも「駆け引き」を主体においた作品なのだ!
娘の命を第一に考える主人公。自分をひどい目にあわせた政府に一泡ふかせたいと企む、テロリストのリーダー。核廃棄物を秘密裏に輸送していたため、秘密を守る事を第一に考えている政府の連中。そして、人質の身代金だけが目当てのテロリストの手下達。彼らの四つ巴の対立による様々な駆け引きが、この映画の醍醐味であり、特色なのだ。
駆け引きを主体においたのは低予算ゆえの苦肉の策かもしれないが、それ自体が結構楽しめる映画である。
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