クリッター2             「評価 B」
前作の騒動から2年後。クリッターの姿を見た者はグローバーズ・ベンド町の中でもほんの僅かに過ぎなかったので、その存在を真剣に話す人々はすっかり変人扱いされていた。前回の主役だったブラウン家の面々も同様の扱いを受け、今となっては町を離れて別の土地で生活している。しかし復活祭が近づいたある日のこと、町に残って幼児達の世話をしている祖母に会おうと、ブラッドは一人町に戻ってきた。着いて早々、記者に好奇の目で見られたり、町の男達に笑われたりと、散々な目に遭うブラッド。おまけにクリッター達が遺していた卵が何も知らない業者の手に渡り、復活祭の日に教会で行われる「卵探し大会」のために大量に売られてしまったのだ。そして復活祭当日、教会にばら撒かれた卵が一斉に孵化し、住民達を襲いはじめた。パニックに陥る住民達。だがその時、クリッターの生存を聞きつけた賞金稼ぎコンビとチャーリーが地球に舞い戻ってきた…。
かつてブラウン家でジェイの手伝いをしていたアル中ホラ吹き男、チャーリー。前作のラストで宇宙に帰還するアグ&リーを追い掛けていった彼が、クリッターを殲滅する戦士にまで成長を遂げるのが本作である。始めはコンビのお荷物的存在でしか無かった彼だが、リーがクリッターの奇襲によって死亡したのをきっかけに自らの使命に目覚めていく。そしてラストでは思わぬ手段によって町を救う大活躍を見せるのだ。本作はそんな彼の様子と相棒の死を乗り越えるアグ、更にブラッドを始めとする2年前クリッターを目撃した者達の奮闘までが上手く盛り込まれており、ストーリーの巧みさにおいてはシリーズ中随一だと言える。
また今回のクリッターは、従来の攻撃に加えてクライマックスに凄まじい変貌を遂げる。無数のクリッターが球状に集まって、それがゴロゴロ転がっていくだけなのだが、これがなかなか恐ろしい。轢かれでもしたら何十ものクリッターに噛み付かれ、球体が通りすぎる頃には骨だけにされているのである。
映画自体は前作の柳の下という印象が強いのだが、ストーリーとモンスターの両方の強化に成功しているため、十二分に楽しめる続編となっていた。
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