クリッター 「評価 C」
凶悪犯罪者であるクリッター8名が、宇宙刑務所から脱走した。彼らは餌を求めて地球へと降り立ち、賞金稼ぎのアグ&リーのコンビも追って地球へと向かった。一方その頃、カンザス州のグローバーズ・ベンド町では、住人達にとって大切なイベントであるボウリング大会が始まろうとしていた。農業を営んでいるブラウン家の家主ジェイも大会に出場するのを楽しみにしていたのだが、いざ会場に向けて出発という時になって、空から謎の発光体が降りていくのを目撃する。ジェイは会場に向かうのを後回しにして、息子のブラッドを伴い発光体の着地した地点に行ってみることにした。その正体がクリッター達が乗ってきたUFOだとも知らずに…。
80年代後半に山のように製作された「グレムリン追っかけ映画」の中でも、一番の成功を収めた(そして本家よりも沢山シリーズが製作された)のが、本作を始めとするクリッターシリーズである。ここまでヒットできた最大の要因は、何に置いてもクリッター自身の魅力にあると言って良いだろう。グレムリンよりも更に醜悪さを強調したデザインでありながら、生き生きとした動きや甲高い叫び声によってしっかりと可愛く見せている点だけをとっても、同じ追っかけ映画の「まんちぃず」に遥かに勝っている。それに加えてクリッターは持っている能力もさして兇悪ではなく、丸まって高速移動したり、麻酔を含んだ針を飛ばしたりと、とにかくユニークに見せようという拘りが感じられるのだ。
そんなクリッターが初めてお目見えする本作は、後々シリーズの主役となる飲んだくれのチャーリーや、シリーズ進行のキーパーソンである賞金稼ぎコンビについての描写は控え目になっており、ブラウン家とクリッターの対立を話の中心に据えている。このブラウン家は典型的なアメリカンファミリーでキャラを把握しやすいため、対抗するクリッターの説明を容易にしていた。
このように様々な点で後のシリーズのことを考えた作りになっている本作。結果としてクリッターより賞金稼ぎコンビの方が町に被害を出していたのは、幾らコメディだとしてもクリッターの恐怖感が薄らいでしまっているので感心できないが、シリーズ物の最初としてはある意味理想的な映画だった。
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