カラテNINJA ジムカタ           「評価 D」
中央アジアの小国、パルミスタン。西側と友好関係を結んでいるこの国では、参謀のザミールが革命を起こして王権を奪取し、ソビエトに取り入ろうと企んでいた。それを悟ったパルミスタン王の娘、ルバリ姫は国を脱出。アメリカのとある組織に助けを求めた。アメリカは前々からパルミスタンを西側陣営に引き入れようと考えていたので、ザミールの野望を打ち砕いてほしいという彼女の頼みを快く引き受ける。
だが外国人がパルミスタンに滞在するには、「ゲーム」に勝ち残らなくてはならない仕来たりがあった。「ゲーム」とはパルミスタン中を走り回って様々な障害を突破していくという「風雲たけし城」や「SASUKE」のようなもので、ここ900年間勝ち残った者は一人もいないらしい。しかしこれを何とかしない限り、パルミスタンを西側に引き入れるどころか、ザミールの野望すらどうにもならない。そこで組織は体操競技のオリンピック選手であり、また父親を「ゲーム」で亡くしていた青年ジョナサンを呼び、「ゲーム」で勝ち抜くための訓練を施すのだが…。
「カラテNINJA」と邦題に付いているが、基本的に日本は全然絡んでこないこの映画。ザミールの手下が黒装束の忍者軍団で、それをジョナサンが体操アクションを用いてバッタバッタと薙ぎ倒していく…という話になっている。しかしこの忍者軍団、忍具らしいものは一切使用せず、戦闘時は弓矢や槍を使うだけなのでいまいち風情に欠ける。またジョナサンが使う体操アクションも、ジムナスティック+カラテで「ジムカタ」という新しいネーミングまで付けているにも関わらず、作品のウリとしては弱いように感じられた。何せジョナサンが「ジムカタ」を使ったと見られる場面が、劇中たった二度しか登場しないのである。しかもその二度と言うのが、敵から逃げ回っている途中でジョナサンは鉄棒や鞍馬(の形をしたブロック)を見つけて…と、どちらも完全に偶然に頼ったシチュエーションで、実戦での強みが感じられない。そんなものだからザミールとの最終決戦でジョナサンは「ジムカタ」を一切使用せず、カラテやプロレス技を駆使して戦っているのだ。
忍者映画としても、新しいアクション映画としてもパワー不足なこの映画。国王が意外に強かったりと細かな見せ場はあるものの、あまり評価はできない作品だった。

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