キラーアイ 悪魔の巨大眼球モンスター 「評価 D」
8次元の世界を研究している博士は、今日も怪しげな実験を行っていた。実験体になってくれた青年に目薬をさし、顕微鏡を改造したような機械を覗いてもらう。博士の理論ではこれで8次元の世界が見えてくるらしいのだが、実は今まで一度たりとも成功したことが無かったのである。そうとは知らずに機械を覗きつづける青年。だが博士が部屋を退出していた時、彼の体に異変が起こった。機械の向こう側からやってきた「何か」が青年の左目に憑依し、眼球が巨大化を始めたのだ。「目が、目が、ああ……!」ともがき苦しむ青年。やがて直径1メートルもの大きさになった左目は、体から分離して何処かへと姿を消してしまった。ショック死した青年を残して…。
「キラーバージン」と同じく、「キラーコンドーム」の公開に肖ってビデオリリースされた本作。しかし内容が電波そのものだった「キラーバージン」に比べると、本作は「8次元からの侵略者」という何とも単純明快な話なので比較的安心して見ることができる。巨大眼球も滑車に乗せなければ全く動けないのが非常に情けないが、網膜や神経まで付いたグロテスクなデザインはなかなかのものだ。
また本作、あの予算は極小ながらもB級映画のネタを満載した映画「未確認生命体ザ・フロッグ」と同じ製作者なだけはあり、映画の所々にその手の作品の小ネタも散りばめられている。例えば研究所の下宿人の部屋には「豪勇ゴライアス」などのポスターが沢山張ってある他、劇中のテレビでは一瞬だけ「悪魔の赤ちゃん」シリーズの映像が出てくる。このようにB級映画好きならネタ探しとしても楽しめるのだ。
ただこの映画、「キラーバージン」とは違った面でお勧めできない点がある。というのも本作、「好色淫花おふくろさんよ!」宜しく、エロ怪獣映画と呼んでも差し支えないような代物なのだ。博士の奥さんは日ごろの欲求不満から研究所に下宿している若者らを食い物にしており、彼女らのベッドシーンが3分ぐらい延々と続いたかと思えば、それを見ていた巨大眼球は性行動に目覚め、自らの催眠能力を駆使して彼女や助手の奥さんと破廉恥な触手プレイを繰り広げる…。こんな感じで本作はラスト寸前までエロシーンのオンパレードなので、世のオヤジ達なら大喜びできること請け合いだが、決して話の出来を期待してはいけない。
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