恐竜の島 「評価 C」
第一次世界大戦中。大西洋でドイツと戦っていた英国海軍のタイラーは、ドイツ軍のUボートを奪って物資を得ようとした。ところが艦内のドイツ軍兵士の反乱にあって物資を得るのに失敗したどころか、磁石に細工が施されていたためUボートはタイラーの思惑を外れて遥か南へと進んでいたのである。そしてUボートは長い漂流の果て、恐竜や原始人の住む人跡未踏の島に辿り着く…。
現代を舞台とした映画において恐竜の住んでいる場所と言ったら、大体はアマゾンや南太平洋の孤島と言った地域と相場が決まっている。これは人があまり足を踏み入れない場所である以上に、やはり爬虫類が住んでいられる暖かい地域だからなのだが、その点本作の恐竜達はやや意表をついた場所に生息していた。
なんと南米大陸の遥か南、Uボートの表面に霜が降るような極寒の島なのである。しかし火山活動が活発なために氷に閉ざされているのは表面だけで、逆に島の内側は温暖な気候だから恐竜や原始人らが生活する南の秘境が(少々南過ぎだが)ここには存在しているのだ。
そんなわけで本作、氷のトンネルを越えたら温暖な火山地帯…というギャップで大いに驚かせてくれるのだが、そこに至るまでの冒頭30分は非常に退屈である。凡そ90分位しかない映画にも関わらず、その三分の一をUボート内部でのドイツ軍と英国軍の争いに費やしており、なかなか恐竜の島に辿り着かない。おかげで到着したらしたで脱出手段の発見や島の秘密の探求と言ったイベントが休む間もなく行われていき、終始バタバタした印象を受けるのである。
この点が評価しがたい本作だが、着ぐるみで動く恐竜に関しては一部を除けば躍動感に溢れたいい動きをしており、見ごたえのあるものになっていた(口しか動かない翼竜が玩具屋の店先で回っている飛行機の如く半永久的に空を旋回してたのにはさすがに腰が抜けたが)。総じて見ると冒険映画としては及第点の出来映えだったので、続編の「続・恐竜の島」にも期待が持てる。
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