原子怪獣現わる            「評価 C」
北極圏でアメリカ軍が行った核実験。その衝撃は凄まじく、氷山に閉じ込められていた古代の恐竜リドサウルスを現代に蘇らせてしまった。リドサウルスは大西洋を泳いで南下し、後日ニューヨークにその姿を現した…。
言わずと知れた「ゴジラ」の元ネタ映画であるが、全てを俯瞰する巨体で大規模な都市破壊を行っていたゴジラとは違い、本作のリドサウルスはビルの隙間を歩き回る程度の大きさしかなく、幾分ひ弱な印象である。何せ劇中で見られた都市破壊と言えば、州兵の銃撃から逃れるためにビルに穴を開けたのとクライマックスで遊園地を破壊しただけだ。その被害たるやニューヨーク全体から考えれば非常に微々たるもので、東京を再び焼け野原に変えたゴジラとは大違いと言えよう。これはハリウッド版「ゴジラ」にも言えることだが、やはり大戦中も本土が無傷で済んだアメリカだけのことはあり、上陸する怪獣も相対的に弱小化してしまうものなのだろうか。
さて本作を単体の怪獣映画として見る場合、話こそ何の脈絡も無しに登場する新兵器を始めとして感心できない点が多くさほど誉められるものではないが、恐竜に関しては人形アニメでありながらも動きが滑らかに仕上がっており、見ていて違和感を感じることが少ない。さすがに「ゴジラ」と比べると物足りないが、こちらもアメリカ式怪獣映画としてはなかなかの出来映えである。

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