海底世界一周 「評価 C」
地震の発生を事前に予測することができれば、被害は最小限に抑えられるはずである。そう考えた科学者は、全世界の海底に高精度の地震感知機を設置するという壮大な計画を打ち立てた。早速科学者達は潜水艦に乗り込んで世界の海を巡る旅に出たのだが、海蛇や海底火山の噴火など、彼らには様々な試練が待ち受けていた。
1960年代。アポロ計画もあって米ソの宇宙開発熱はますます高まりを見せ、人々の関心が地球を離れ、遠い宇宙の方向へと向いていた時代。だがそんな風潮に反旗を翻すが如く、冒頭で「海底は宇宙よりも未知の世界である」と告げ、海洋冒険映画の健在ぶりを世にアピールしたのがこの映画である。
しかし本作、タイトルから感じられる壮大さに比べると些かこじんまりとした印象を受けてしまった。確かにタイトルの通り、潜水艦に乗って世界を一周するという内容なのだが、潜水艦が具体的にどの辺りの海を移動しているのかが分かるようなシーンが皆無なため、「新しい海域に到着→予測機械を設置→次の海域に移動」のパターンを延々と繰り返されてもあまり冒険している気分になれないのである(そもそもなんでたった一台の潜水艦で世界を巡らにゃならんのか)。中盤の山場とも言える巨大海蛇との戦いも水槽に潜水艦の模型と海蛇を入れただけという、伝説の水槽冒険映画「深海征服」クラスの芸当が見られ、緊張する以前にどうしても笑いが込み上げてしまう。
クライマックスの海底火山から脱出するシーンになってから漸く冒険映画らしくなり、ちゃんと面白くなってくれるので評価はCだが、それまでの淡白な展開はいかんともし難い作品であった。
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