クライシス・ジ・アース 人類滅亡の日 「評価 D」
山間を進む一台の列車。乗客達はそれぞれの思いを胸に、目的地に到着するのを心待ちにしていた。だが列車がトンネルに入った途端、急に車両が大きく揺れ出した。同時にトンネルが落盤し、乗客達は皆意識を失ってしまった。しかしこの時、乗客の一人の荷物から怪しげな装置が落下し、作動を始めていたのである。
その後、意識を取り戻した彼らは、互いに協力をして何とかトンネルから脱出する。更に山中の森を抜け、崖の上から眼下に広がる街を一望する乗客達。だがそこで彼らが見たものは、以前の様子など見る影も無いほどに荒れ果て、廃墟と化した街の姿だった。彼らは冷凍睡眠装置によって長い間眠らされており、その間に地球は隕石の落下によって壊滅していたのである。絶望に打ちひしがれる乗客達。しかし人類全てが滅んだわけでは無いようなので、彼らは安住の地を求めて長い旅に出発した…。
総上映時間が150分と結構な長さを誇る本作だが、これだけ長いにも関わらず見せ場が少なく、やたらと退屈させられる映画であった。何より中盤で延々と続く狩りのシーンなど、余計なシーンで話を水増ししているのが非常に煩わしいのである。
また本作、話は滅亡の経緯を知っている一人の女の独白によって進行し、彼女の説明によって世界で何が起こったのかや後半出現する武装集団の正体が明かされる。だがこの女が自分の目的のために生存者を蔑ろにするようなエゴの塊で、おかげで周りの人間は彼女に振り回されていたという印象しか残らず、いまいち登場人物に感情移入できないのだ。
冷凍睡眠を使うことによって地球滅亡の様子を映す必要を無くしたりと、低予算なりの苦心の跡が窺えるのは評価できるが、無理矢理ハッピーエンドにしたようなラストに象徴されるように肝心の話の方があまりにもお粗末な映画であった。
GO TO TOP!!