寄生獣              「評価 D」
火災のあった森の回復具合を確かめるべく、役所の依頼で生態調査に来た5人組。調査は順調に進むかに見えたが、ある者が焼け跡から奇妙な肉塊を発見した時から、森は地獄へと変貌して行った。
人間の口からトカゲ状の生物が這い出してくるというシンプル且つショッキングなビデオパッケージが印象的な本作だが、実際あんな生物は1カットたりとも登場しない。代わりに映画に登場するのはどう見ても生焼けのローストチキンそのものな物体で、勿論全く動いてはくれず、非常に安さ爆発な代物だった。そして森の中に転がっているこの物体を見つけた調査員が悲鳴をあげて必死に逃げ回ったりするんだが、本作はそんな俳優達の姿を見ていると実に微笑ましくなってくる。おまけに物体が動く必要のある場面では、いちいち登場人物に「動いた!」と説明させるという荒技を用いて処理する始末だ。
と、こんな風に本作は笑える要素を十分に満たしているはずなのだが、話のテンポがあまりにも悪く、「フライト・トゥ・ヘル」同様に馬鹿映画としても楽しめない有様であった。
製作者がカット割りという概念を知らなかったのか、本作は1カットごとの時間が矢鱈と長く(1シーンを1カットで済ませているところが山とある)、俳優のテンションがよく持続したものだと感心させられるところがある。
この点を除けば、本作はそれほど評価できない映画だった。

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