クイーン・スパイダー 「評価 D」
廃ビルの電気点検に来た四人の業者達。だが点検の途中で彼らは、隠し部屋に置かれていた謎の装置を発見する。ほんの気まぐれで装置を作動させた彼らだったが、突然謎の空間が生じ、二名の姿が消滅してしまった。目の前で人間が消え、残された二人は茫然となる。一方、消えた二人が意識を取り戻すと、そこは人気の無い街の中だった。誰も乗っていない現金輸送車を見つけ、中にある大金に大喜びする二人だったが、そこへゾンビと化した人間達が現れて二人に襲いかかってきた。一見普通の街と何ら変わりないこの世界は、人間をゾンビ化させる能力を持つ女王蜘蛛が支配する、恐るべき異空間だったのである。
パッケージのイメージに反して異空間を舞台にしたSFアクションである本作は、クライマックスでの登場人物の頭の悪さがやたらと印象に残る。よせばいいのに単独行動に出て次々と殺されて行く連中とか、蜘蛛から逃げている最中だと言うのに金を手に入れることに拘って殺される奴とか、あまりに思慮の欠けている奴が多く、おかげでクライマックスに緊迫感が感じられないのだ。
しかも異空間と言っても蜘蛛がいるだけで現世界と大して変わらないなど、低予算ゆえか妙にケチくさい部分が目立つ。一昔前のSF映画みたいな設定は良かったのだが、それを作品に全く生かしきれていない映画だった。
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