キラーコンドーム          「評価 C」
ニューヨークの裏街道に建つラブホテルでは、今夜も男女カップルや同性愛者達によって狂宴が繰り広げられていた。だがそんな中で、教え子を脅してベッドインしようとした大学教授がペニスを食いちぎられるという、世にもおぞましい事件が発生した。しかもその夜には同様の事件が続発しており、当然警察は被害者と一緒にいた女達を睨んだのだが、女達は皆一様に「コンドームがペニスを噛み切った」などとおかしな事を証言していたのだ。そこでマカロニ刑事は捜査のためにホテルに向かうのだが、ホテルにいた青年ビリーについ人目惚れしてしまい、部屋を借りて愛し合うことに。ところがマカロニ刑事がコンドームを付けようとした時、コンドームは彼のペニスに牙を剥いた。幸いにも片方の睾丸を奪われただけでペニスは無事だったマカロニ刑事だが、当然彼の話を信じる同僚は一人もいなかった。しかもペニスを食いちぎろうとした容疑者として愛するビリーが警察に追われることになり…。
「八仙飯店之人肉饅頭」と並ぶ、90年代におけるアルバトロスの代表作。鋭い歯を剥き出しにしたコンドームが印象深い本作は、モンスターの性質と黒幕の目的、それと「同性愛」という作品のテーマが違和感無く融合している。また、このテーマに沿ったホモネタも笑えるものが多く、これらの点に関しては評価できる。
しかし本作、それでも出来の悪い映画と言えるのだ。映画の中で主人公のマカロニ刑事は度々、己の内面を語って聞かせてくれるのだが、これが本当にどうでもいい事まで語って聞かせてくれるのが本作ではギャグとなっている。だが、映像で見せて説明すべきところまで内面の声で処理するのは正直いただけない。更にカメラワークを始めとする演出力の弱さが原因で何をやっているのか分からないようなシーンが幾らか見られるのも問題である。
(特にクライマックスの戦闘は分かりにくいの一言)
アイデアからテーマへの結びつけは上手いのに、それ以外の部分が足を引っ張っている映画だった。
ちなみに本作、アメリカではトロマが配給したらしい。さすがと言う他ない。
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