クラッシュランディング 「評価 B」
ドイツ発カイロ行きの飛行機がトラブルによって離陸不能になり、乗客達は急遽代わりに用意された飛行機に乗ることとなった。だがその飛行機は整備が完全ではなく、航行不能となった挙句にカイロから遠く離れたスーダンの砂漠にある、かつて軍が使っていたという小さな飛行場に不時着した。ところが飛行場の周りには軍が埋めた無数の地雷が点在しており、電波の届かない砂漠の真中で、パイロットと乗客達は助けを呼ぶにも呼べないという状況に追いこまれていた…。
「絶望的状況からの奇跡の脱出」。こんなサバイバル映画の王道とも言うべき展開を軸にしたのが、この映画である。飛行場と周囲の建物に残されていた僅かな道具と乗り物を駆使し、生存者それぞれの知恵を振り絞って脱出手段を模索していく様を本作では実に丁寧に描いており、この点に関しては非常に評価できる作品である。
だが本作、このような性質の映画なのに人物像を掴みきれない登場人物がやたらと多く、試行錯誤にのめり込みにくいという欠点がある。「生きてこそ」のようにその他大勢として描くならまだしも、全員が少しずつ話に関わってくるので、冒頭での各人物の紹介が不十分だったのが後の話に響いてきているのだ。もう少し登場人物を絞るなどの工夫が欲しかった映画であった。
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