キラー・モンキーズ 「評価 C」
この映画、予告編では「IQ180の猿が人間を襲う!」とか言っていたし、ビデオパッケージではナイフを構えた猿しか写っていないし、ともすれば「猿が人間を襲うだけの映画」と誤解してしまいがちである。ところが、開けてビックリ玉手箱。なんと本作はホラーのオムニバスであり、猿が人を襲う話はその中の一編に過ぎなかったのだ。
そしてオムニバスというからには、当然一つ一つの話を克明に語る人がいるわけで、本作ではその役をモデルハウスのセールスマンが行っている。分譲地区にやってきた平凡な夫婦を案内するセールスマンが、売り地となっている空き家にまつわる恐怖のエピソードを語っていく…という構成だ。この構成自体は悪くないし、本作のラストへの伏線にもなっているので別に構わない。ところがこの映画、各々のエピソードが最悪だったのである…。
エピソードは全部で3つあって、不倫がばれた女が愛人と共に旦那を殺し、その死体を隠すために四苦八苦する話。どこからともなく現れた殺人猿に振り回される一家の話。町を騒がせている「覆面キラー」という殺人鬼の犯行が予知できるようになった青年の話…とあるが、どれもこれもあまりに質の低い話のオンパレードで困る。死体を隠す話は車を隠すためにキーを探すという展開が理解しがたいし、殺人猿の話は完全に父親の独り善がりが招いた惨事だったし、覆面キラーは青年のもったいぶった言動が招いた結末に過ぎないのだ。
しかしこれら単体の話の不出来を覆すかの如き、超絶的ラストが本作には待ち受けている。これだけでも十分に見る価値のある映画と言っていいだろう。
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