恐竜・怪鳥の伝説                「評価 D」
自殺の名所として広く知られる、富士の裾野の青木が原。だがそこを舞台としたこんな怪作があった事は、あまり知られていない。本作は、この青木が原に恐竜の卵があったという奇想天外な設定を基にして作られた日本映画である。
青木が原にやって来た自殺志願の女性が、そこの洞窟で恐竜の卵を発見した。彼女は慌てて人里に舞い戻ったが、当然の如く彼女の話は誰も信じてはくれない。だがそんな中、一人だけ彼女の話を信じる新聞記者の男が現れた。彼の父は地質学者で、かつて青木が原で同様に恐竜の卵の化石を見つけたというのだ。そこで彼は青木が原に向かい、友人のダイバー姉妹と協力して調査に乗り出したのだが、その時事件は起こった。近くの湖に鰭竜類のプレシオサウルスが現れ、観光客の青年が食い殺されてしまったのだ。その後も恐竜による事件は相次いで起こり、挙句にプレシオサウルスは陸上に這い上がって観光客まで襲いだす。そこで自衛隊がやって来て、湖に機雷を落として海竜の退治に乗り出した。だがその頃、湖の底では新聞記者の男が海竜の調査をしていたのである。慌てて彼を連れ戻そうと湖に飛びこむダイバーの妹。しかもそのドサクサに紛れて、何の脈絡も無しに古代の怪鳥ランフォリンクスまで誕生してしまった。果たして、新聞記者の運命は!? そして、人類は復活したプレシオサウルスやランフォリンクスを倒すことができるのか!? そんな時、全ての観客を馬鹿にしたような衝撃のクライマックスが訪れる…!
当時、「ジョーズ」から始まる「グリズリー」や「テンタクルズ」などの動物パニックブームに便乗して東映が製作したこの映画。子供に人気のある恐竜を題材にしてヒットを狙おうとしたものの、映画の大半は這って動くだけのプレシオサウルスしか出てこず、画的にぱっとしない出来になってしまった。また恐竜や怪鳥が誕生した理由が「富士山の噴火が近づいているからだ」と、それまで何回富士山が噴火しているんだと突っ込みたくなるような物だったり、怪鳥が生まれてから5分ほどで空を飛んで人間を襲うほどに成長したりと、結末が腰砕けなのも含めて怪しい雰囲気がプンプンしている本作。余程覚悟して見なければ相当の肩透かしをくらってしまう作品であろう。

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