クローン・デイ J−2.0           「評価 B」
出ました、「シックス・デイ」の便乗映画第二弾。「クローン・トゥ・キル」は映画版のポスターにそっくりなパッケージデザインだったが、こっちはビデオ版のパッケージそのまんま。「クローン・トゥ・キル」に騙されなかった人も、つい間違えて借りてしまうこと請け合いのデザインになっているのだ。ところが本作、ビデオの中では「クローン・デイ」のクの字すら見る事ができない。なんと本当の日本語版タイトルは「ジョニー2.0(すなわちJ−2.0)」と言い、「クローン・デイ」というタイトルは「シックス・デイ」とタイトルを似せるため、ビデオ化の際に勝手に付けた名前らしいのである。それでは「ジョニー2.0」とはどういう意味なのかと言うと、それを説明するためにはまず話の内容を説明しなくてはならない。
時は現代、ジョニーは小さな遺伝子研究所の所員をしていた。ところがある日、ジョニーは動物実験に反対する連中と戦って、脳に軽い損傷を受けてしまった。そこで病院は彼が死んでしまった時の保険として、「MIR」という脳の記憶を完全に保存するシステムを彼に使用したのである。そして時は過ぎ、35年後の未来。オリジナルのジョニーは何処へと姿を消しており、大企業となっていた研究所ではMIRからジョニーのクローン「ジョニー2.0」が誕生していた。「クローンというものは先天的に障害があるから、おまえの命はあと一週間しかない。だがジョニーの研究しているシステムを用いれば、おまえのようなクローン人間の寿命を延ばすことができるのだ」と言われ、ジョニー2.0はオリジナルの捜索に乗り出した。ところが捜索するうちに、研究所の意外な事実が判明して…。
というわけで、「ジョニー2.0」とはジョニーのクローン、つまりジョニー2号を意味する。ここが本作のクライマックスで重要な意味を持っていて、ラストの「意外な」事実を作るキッカケとなっているあたり、本作はなかなか巧みに構成されている。ただ、35年後にしては些か文明が進みすぎているような気もするが。
それでも本作は話作りが上手く、SFとしては楽しく観ることが出来る。少なくとも本家「シックス・デイ」よりは面白い映画であった。

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