ギャラクシー・クエスト              「評価 S」
いや〜、笑った笑った。映画を観てこれだけ笑ったのは「風雲」以来だ。この映画にはパロディやブラックや不条理と言った、ありとあらゆる種類のギャグが詰まっている。そのため本作は、誰が観ても笑える映画という、ある意味コメディの理想形とも言える内容になっているのだ。
およそ20年ほど前、「ギャラクシークエスト」という、まるでスター・トレックを連想させるようなSFドラマが人気を集めていた。そして時は現代、そのドラマの出演者達は落ちに落ちて、かつてのファンやSFマニアを相手にしたサイン会をして生活する毎日を過ごしていた。ところがそんなある日、遠い宇宙の果てから「ギャラクシークエスト」を観ていた宇宙人達が、突然彼らに助けを求めてきたのである。宇宙人達は「ギャラクシークエスト」をドキュメンタリーと勘違いして、なんと彼ら出演者を本物の宇宙の戦士と思っていたのだ!宇宙船に乗せられ、帰るに帰れなくなった出演者達は、仕方なく宇宙人と共に敵宇宙人との戦いに参加することになったのだが、戦いが進むにつれて次第に彼らはドラマに出演していた頃の気持ちを取り戻していって…。
本作は基本的にコメディでありながら、「ピーターパン」のような一種のファンタジー冒険映画にもなっている。はじめから夢物語だったという事を前提としていたものが、宇宙人と出会う事によって次第に現実に変わっていく。この映画は、その過程が実に上手く描かれているのだ。こういった点も、本作が単なるSFマニア向けの映画に終わらなかった一因であろう。
そんなわけで、本作は実に面白い。マニアにウケる部分が結構多いが、それ以外の人でも充分楽しめる映画であるのだ。

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