コンコルド 「評価 B」
「大空港」以来、未だに量産され続けている航空パニック映画。日本でシリーズ化した作品を挙げるだけでも「乱気流」シリーズとそこから派生した「タービュランス」シリーズ、そして「大空港」からの流れを組む古株「エアポート」シリーズと結構な数である。これだけ沢山作られる主な理由としては、密室の状況が作りやすい、乗客(エキストラ)の数が海洋パニックより少なくて済む、有りもののフィルムが山ほどある、とかなんだろうが、よくこんなに飛行機災害のバリエーションを考えつくもんだと感心してしまう。そして本作もそんな航空パニック映画の1つだが、航空パニックに政治ドラマを絡めるという意欲作なのである。
テロ鎮圧を仕事とする主人公の次の任務は、次期大統領候補の護衛としてコンコルドに同乗する事だ。実は先日、他の大統領候補が謎のテロリストに暗殺されていた。そこで主人公の元にこんな任務が舞い込んできたのだが、やはり案の定、コンコルドにはテロリスト達が潜伏していた。正体を現し、あっという間に機内を占拠するテロリスト達。主人公は彼らを倒そうとするのだが、この事件の裏では大統領を始めとする官僚達が陰謀を巡らせていて…。
飛行機のシーンは有りもののフィルムが多用されていたり、アメリカとフランスの管制塔はどう見ても同じセットだったりと、映画自体は物凄く低予算なのだが、政府の陰謀を絡め、挙句に国家間戦争寸前にまで発展させようとすることで機内以外の場面でも緊迫感を醸し出し、話に厚みをもたせている。スケール感という点において、本作は実に評価できる作品なのだ。
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