恐竜カルノザウルス(別題:ダイナソークライシス)   「評価 C」
本作は「ジュラシック・パーク」の便乗映画(といっても、公開は本家より早かった)なので、科学の力で現代に甦った恐竜が人間を襲う…といった内容である。しかしこの映画、本家を遥かに上回る程の難作だった。いや、難しいというよりも、わけが分からないのだ。
本作の科学者が恐竜を甦らせたのは、環境破壊を繰り返す人類を滅ぼして恐竜を再び地球の支配者にさせるという理由からなんだが、科学者が復活させたのは肉食恐竜1種類だけ。これじゃあ恐竜は繁栄しないだろうが! 遺伝子操作までして恐竜を復活させておきながら、この科学者は恐竜のことを何も考えちゃいない…と思ったらしかし、科学者は恐竜単体でも繁殖できるよう、方法をちゃんと考えていた。だがその方法というのが「人間の女性に恐竜の卵を産ませるようにするウイルスを蔓延させる」という凄いもので、ウイルスがどうやって卵を産ませるんだと思っても勿論答えてはくれない。
またその科学者の研究所の地下室にはレーザー光線が張り巡らされていて、侵入者を察知すると歩き回っている肉食恐竜が襲ってくるという仕掛けがされている。地球を明日を築くはずの恐竜を、番犬同然に扱っているのだ。言行不一致も甚だしい科学者だ。
とこのように、奇奇怪怪な点に溢れた本作。ロジャー・コーマン製作なので本家以上にグロいシーンが満載で、その手のファンなら大満足だが、怪獣映画としては不出来な作品である。

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