クロコダイル                  「評価 D」
鮫の間を縫うようにしてサーフィンを行う危険なスポーツ、ブラッドサーフ。「これぞ男の浪漫に違いない!」と確信した或る映画監督は、このスポーツを題材にした映画を撮ろうとサーファーを集めて東南アジアの海岸へとやってきた。撮影は少々トラブルがあったものの順調に進み、このまま滞り無く映画は完成するように思われた。だがこの島、鮫よりも遥かに恐ろしい巨大ワニが生息していたのである。彼らはやがてワニの存在に気づき、撮影を放り出して周辺を逃げ回ることとなる。しかも近くには武装集団のアジトがあり、近くをウロウロしていた撮影隊はアジトの一室に監禁されてしまった…。
「ジョーズなんか目じゃないぜ!」と言わんばかりに、鮫が多発する海岸を舞台としていながらワニが出ずっぱりなこの映画。だがそれにも関わらず、ワニよりも何よりも登場人物の頭の悪い行動ばかりが目立っているため、ワニ自体はそれ程印象に残らないような映画だった。確かにこの手の映画は頭の悪い行動をする人物が必ず一人か二人いるのだが、本作のそれは突出している。例えば映画の中盤、ワニから逃げて一行は海岸に着いた。するとその時、監督が何の前触れも無しに海に入ってサーフィンを始めてしまうのである。そして意気揚揚と波に乗っていたところ案の定背後から出現したワニに食われて御陀仏となるのだが、何故こんな行動に出たのかは理解しがたい。そしてこの監督を筆頭として、あらゆる登場人物が突飛な行動に走り、死んでいくこの映画。ワニの出来は平均的なレベルを満たしているだけに、何ともしがたい作品である。
(余談だが、本作の原題は「BLOOD SURF」である。監督がいきなりサーフィンを始めたのはこのタイトルが原因とも考えられるが、その割には映画の後半辺りになるとブラッドサーフのことなんてまるで関係無くなっている)

ワニ映画一覧へ
GO TO TOP!!