怪獣王ゴジラ 「評価 B」
いわずと知れた、海外版ゴジラの第1作である。つまり、1954年に日本が作った「ゴジラ」をアメリカが編集し、自国で公開した作品がこれだ。
だからといって映画の内容を、単なる「ゴジラ」の英語吹き替え版だと思ってはいけない。この映画は、オリジナルの「ゴジラ」にアメリカが新たに撮影したシーンを加え、更に観客に親しみやすいようにと登場人物にアメリカ人を入れた、いわば「修正版ゴジラ」なのである。
話は本家ゴジラとほぼ一緒で、大戸島のゴジラが東京に来て大暴れする内容なのだが、凄いのはその編集され具合だ。
先述の通り、この映画には二人の新たな登場人物が追加されている。海外版ゴジラの第二作「ゴジラ1985」にも登場したアメリカの新聞記者マーチンと、彼の案内役を務める日本人の役人だ。
新撮カットの大半は彼ら新キャラに関する場面だが、この二人とオリジナル版「ゴジラ」の登場人物とを絡ませなければ話にならないから、ここで製作側のウルトラCが炸裂する。なんと「ゴジラ」の登場人物がマーチンたちと共演する場面では、オリジナル版の登場人物たちは一様に後ろを向いているのだ。マーチンとオリジナルの登場人物の後ろ姿とが「共演」するカットを見ていると、オリジナルの役者を呼べなかった製作側の苦労がしのばれてならない。
この他にも外国人役者に無理矢理日本人の役をさせたり、話の時間経過が本家ゴジラと微妙に違っていたりと、無茶苦茶な修正の仕方が実に楽しい1本である。
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