マラブンタ 「評価 D」
山間の田舎町に存在する巨大な土の塊。その正体は大量の蟻が巣くう蟻塚だった。しかも蟻は動物を襲う凶暴性を持っており、やがて街の人間をも襲いはじめる…。実にシンプルな話だが、男が上っている木のハシゴを集団で噛み砕いたりと、蟻ならではの恐怖を見せつけている点は評価できる。
ところが本作、実に演出が緩慢なのである。例えば倒れた女性に蟻の大群が襲いかかるシーンでは、大群と女性の距離は1メートルも離れていないのに、45秒たっても蟻は女性が倒れている場所に到達しない! 蟻だから動きが遅いのか? と思っていたら、別のシーンでは数秒で2メートルぐらいの距離を進んでいるし、どうも変である。しかもCG技術が未熟なため、シーンによって蟻の大きさが普通サイズから10センチぐらいとバラバラだ。そして、極めつけは退治方法である。主人公達は町外れのダムを崩し、町と一緒に水の底に沈めることによって無数といる蟻を駆除しようとしたのだ。蟻映画の古典「黒い絨毯」からまんま拝借してきたかのような退治方法であり、よく考えられているとは言いがたい。生物パニックとしてはそれ程評価ができない作品である。
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