マックスQ スペースシャトルを救え       「評価 C」
良くも無ければ悪くも無い作品。こういう映画を、批評しにくい映画というのである。実際に、この映画の殆どの部分がそんな感じなのだ。一応、話に盛り上がりはあるし、ラスト以外には変なシーンもあまり見られない。ところが平凡なままで終わるかに見えた本作は、ラストでとんでもないことをやらかしてしまうのである。
話は、宇宙で作業をしていたスペースシャトルが事故に遭遇して、自力で戻ろうとするのだが…というもので、「スペースシャトルを救え」というサブタイトルが何故ついたのかが疑問だが、内容は平凡そのものである。スペースシャトルの船外作業のシーンが、どう見ても黒い地面を歩いているようにしか見えなかったり、こういう映画の定番、馬鹿な男(本作では、作業のスポンサーのこと)が登場したりして、質はかなり下の作品だということは分かるのだが、それらもインパクトは薄いし、馬鹿映画としても評価できないのだ。果たして、このまま印象が薄い映画のままラストを迎えるのか? と思ったらしかし!
ラストで製作者達はやってくれた! なんと主人公達は、スペースシャトルをハイウェイに着陸させたのだ! 操縦不能になっている。という説明はついているものの、それでもスペースシャトルがハイウェイを走る車を次々と轢きながら着陸するシーンは、この映画を馬鹿映画と決定づける印象的なシーンとなっている。スペースシャトルの乗組員は4人なのに、その4人が助かるためにいったい何人死んだんだろうか? 映画の途中で、乗組員の1人が「誰にも家族はいるんだ! そういう意味で全員平等なんだ!」と言っていたのを思い出すと、4人が助かるために大勢が亡くなったと思われるこのシーンが、実に笑えてしょうがない。
この映画の製作者は、ラストが肝心という事を良く分かっている。平凡なラストに終わらせなかったところが、実にナイスな作品であった。

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