化け物屋敷と悪魔教授        「評価 B」
ハロウィンの日、ティムやダグを始めとする6人の若者達は大学のサークルに入ることとなった。しかしサークルの仲間として認めてもらうためには、先輩達の要求する物を集めた後、60年前に殺人事件があったハックフォードの屋敷で一晩を過ごさなければならない。そこでティム達は仮装して、マネキンや回り道の標識、生きたネズミなどを集めていくのだが、先輩から渡されたリストの中には大学のカップス教授が所有する「魂の救世主の本」が載っていた。ティム達と別行動をとっていたダグは教授の家に侵入し、こっそり本を拝借しようと考えたのだが、そこで彼は教え子を殺して怪しい実験をしているカップス教授と遭遇してしまう。「魂の救世主の本」には地獄とこの世を結ぶ秘術が記されており、カップス教授はそれを試していたのだ。現場を見られたからには生かしておけないと、ダグに襲い掛かるカップス。揉み合いの末、カップスは階段から落ちて剥製の角に串刺しになり、意識を失った。困ったダグだが、取り敢えず本を持って教授の家から逃げ出す。幸運にも家の地下室で生徒の死体が発見されたことから、駆けつけてきた警察は教授が怪しい儀式でこうなったのだと断定してくれた。こうしてリストの物を集め、ハックフォードの家に集まった6人。そこでは先に来ていた先輩達が彼らを脅かすために様々な罠を仕掛けていたのだが、それ以上の恐怖を彼らは体験することとなった。亡霊となったカップス教授がダグを騙し、地獄の門を開く秘術を唱えさせたのである。屋敷は悪霊によって出口を閉ざされ、またダグの体も教授に乗っ取られてしまう。やがて恐ろしい事態が起こっていることを察したティム達は、団結して教授に立ち向かおうとするのだが…。
本作は「未確認生命体ザ・フロッグ」「キラー・アイ 悪魔の巨大眼球モンスター」と同じ製作者が生み出したホラー映画である。前の二作は予算の少なさと構成力の拙さをエロシーンとB級映画のネタでカバーしているような内容だったが、驚いたことに本作はエロシーンも映画ネタも殆ど無い。それどころか話の構成が大分洗練されており、普通の映画として十分に見られる出来になっていたのだ。例えばカップスの死を望む警官やティムのトラウマといった伏線は、それまでの作品にはまず存在し得なかったものであり、これだけでも製作者の進化具合を窺い知ることができる。また予算もアップしたらしく、作中で使われるVFXも多少は見られる物になっていた。チェンソーの動きと血の噴出のタイミングが全然合っていなかったり、一瞬だけ映る地獄の風景が「キラー・アイ」の8次元世界とどっこいどっこいのレベルだったりと、それでも尚お粗末な部分は見当たるのだが、ギミックを楽しむお化け屋敷映画としてはなかなかの作品である。

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