ファントムフォース 「評価 D」
超能力と最新鋭の科学を駆使し、超常現象を原因とするありとあらゆる事件を解決する特殊部隊、それがファントムフォースである。紀元前にペルガモン王国で使用され、地獄から無数の悪魔を呼び寄せたことで知られる古代兵器「ハデスの石」。海底に沈んでいたそれを発見・回収した潜水艦ベンチャー号が暴走を始め、破壊活動を行いながら地中海を北上していた。そこで事態を収束するため、ベンチャー号に潜入してハデスの石を持ち帰るようにとの命令がファントムフォースに下された…。
SF、オカルト、潜水艦と、固定ファンのいるジャンルを贅沢に詰め込んだ本作。と言ってもファントムフォースが搭乗する高速潜水艇や次元移動を繰り返す幽霊潜水艦ベンチャー号などは美麗なCGで描かれているので見応えがあり、またハデスの石が呼び寄せる悪魔も、人間の親父が鎧を着ただけの姿なのはいただけないが、潜水艦という閉塞した空間を活用して不気味さを演出したりと、それぞれのジャンルに入れ込みが見られ、詰め込みすぎによる窮屈さを感じさせないのは見事である。
しかし本作、ビデオ・DVD化の際にカットでもされたのか、場面と場面の間が飛んでいるのがやたらと気になる。「機関室からハデスの石を持ってきて脱出するぞ!」と話が纏まった途端、次のカットではハデスの石の回収が完了しており、脱出のために潜水艇に乗りこんでいる…というような部分が結構見られ、話を追うのが非常に困難なのだ。またそのおかげで唐突に始まる罵り合いや戦いについて行けなかったりと、様々な弊害が生じている。幾ら要素要素に入れ込みが感じられても、これでは映画を楽しむことが出来なかった。
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